【歯列矯正中の歯磨き・矯正後のリテーナー】綺麗な歯並びのために必要な努力

歯列矯正中は虫歯になりやすい

歯列矯正を始めたら、歯の磨き方にも注意しましょう。矯正器具をつけた口の中は食べカスが残りやすく、虫歯や歯周病の原因となるため、時間をかけて丁寧に行う必要があります。特にブラケットの周辺やワイヤーの下は汚れがたまりやすいので、歯磨き指導をしっかり受けて、コツを身につけましょう。調整や経過観察で通院する度に口腔内の清掃はしてくれますが、やはり普段のケアが大切です。虫歯や歯周病が矯正治療の妨げとなり、期間が延びてしまうようなことは避けたいものです。

歯列矯正中の歯磨き法

歯列矯正中は、それまでと同じ磨き方では不十分です。歯ブラシも用途にあわせて複数揃えましょう。基本は普通の歯ブラシで大丈夫ですが、矯正用のヘッドがスリムなものや、ブラシ部分が山型や谷型にカットされているものもあります。これらはブラケットやワイヤーに負担をかけずに汚れを落とすことができます。

歯ブラシは鉛筆と同じように親指・人差し指・中指の3本で持ちます。最初に歯の表面を普通に磨いた後、歯ブラシを斜め45度の角度で歯に当てて、矯正装置の下を磨きます。この時、上下から行うようにします。小刻みに、2本くらいずつ磨くような感じで、力を入れすぎないようにしましょう。同様に、歯と歯茎の間を磨きます。

その後、歯ブラシを縦にして歯と歯の間を磨きますが、ワンタフトブラシや歯間ブラシがあると便利です。ワンタフトブラシは矯正用の歯ブラシの一種ですが、ブラシ部分が一束で山型になっているのが特徴で、歯を1本ずつ磨くのに適しています。歯間ブラシは歯ブラシで落としきれない歯と歯の間の汚れを落とすのに使います。合わないサイズのものは、歯肉を傷つけたり歯のすき間が広がってしまったりすることがありますので、医師に相談して選びましょう。裏側矯正の場合は、1本ずつ磨くことが望ましいので、ワンタフトブラシを使いますが、普通の歯ブラシであれば先端だけで磨くようにします。

リテーナーは歯列矯正の最終段階

歯並びや噛み合わせを整えて矯正装置を外した後は、リテーナーという装置を使います。「せっかく矯正器具が外れたのに、また器具？」とがっかりするかもしれませんが、この保定は「後戻り」を防ぐための不可欠の処置です。

歯は、矯正装置によって力をかけられた歯槽骨（歯の周りの骨）が溶けて、そのすき間に新しい骨ができるという繰り返しによって移動していきます。移動が完了しても、まだ歯槽がしっかり固まっていない不安定な状態で矯正装置を外すと、歯と歯茎を繋いでいる繊維の、歯を元に戻そうとする力が働くのです。保定をしっかりしておかないと、時間をかけて動かした歯が元に戻って台無しになりかねません。

リテーナーの種類

リテーナーには、取り外し可能な可撤式と、固定式のものがあります。歯の位置が落ち着いてくるのにおよそ1年かかりますが、矯正器具をつけていた期間と同じくらいは使い続けるのがよいとされています。外す時期は個人差がありますが、後戻りを防ぐために使い続けるというケースもあります。

歯列矯正中のお口のケアは普段よりも手間暇をかけてあげてください。矯正が終わった後も、リテーナーを使うことで綺麗な歯並びを維持することができます。歯科矯正にはどうしてもこういった作業が必要となりますが、素敵な笑顔のためにしっかりと行いましょう。